2026-09-07
同じ色でも、中身は違いました ― 神戸チャレンジTOP8のデッキリストを並べて見る
9月6日の神戸チャレンジは、TOP8に6種類の色の組み合わせが残りました。うち3組は同じ色が2人ずついます。
「同じ色なら中身も同じでしょう」と思って並べてみたら、そうではありませんでした。
エメラルドを使った5人が、全員同じ1枚を4枚
8つのリストでいちばん多く採用されていたのは《アースラ – 騙し屋》でした。5人が採用しています。
面白いのは、その5人がエメラルドを使った選手のちょうど全員だということです。エメラルド/スティールが2人、アンバー/エメラルドが2人、エメラルド/ルビーが1人。デッキの狙いはそれぞれ違うのに、5人とも4枚入れています。
公式の戦略記事は、このカードを「除去を捨てさせてから安全に定着させる」役として説明していました。手札を削る動きは、どの形のエメラルドにも要るという結論だったようです。
逆に、エメラルドを使っていない3人(アンバー/スティールの2人とルビー/サファイアのマナベ選手)は当然ながら不採用でした。
優勝したデッキは、いちばん種類が少なかった
60枚に何種類のカードを入れたかを数えると、こうなりました。
・みどり_K3064選手(優勝) 16種類
・hakumai選手 18種類 / ハム選手 18種類 / カワウソ_K1415選手 18種類
・けちゃまる選手 19種類 / ちゃば選手 19種類 / ぷぅ選手 19種類 / マナベ選手 19種類
優勝したみどり_K3064選手のリストだけが16種類で、8人の中でいちばん少ない。60枚のうち52枚が4枚積みのカードです。ピン挿しの対策カードをほとんど持たず、同じカードを毎回引く形に寄せています。
本人が挙げた工夫も「《エリノア – 名高い外交家》を4枚入れたこと」でした。リストを見ると、確かに4枚入っています。
同じエメラルド/スティールでも、考え方が逆でした
エメラルド/スティールは、優勝したみどり_K3064選手とTOP8のちゃば選手の2人です。骨格はほとんど同じカードで組まれていますが、枚数の刻み方が正反対でした。
みどり_K3064選手が《ファーガス – ダンブロッホの王》《背すじがゾクッ!》《昔ながらのこの営み》《エリノア – 名高い外交家》をすべて4枚にしているのに対し、ちゃば選手はそれぞれ3枚に削っています。
削って空いた枠に入っていたのが、《先生 – 剛胆なる騎士》1枚、《兵士 – 女王の命令のままに》1枚、《I'm Still Here》2枚です。ちゃば選手が「工夫した点」として挙げていたのも、まさに《兵士 – 女王の命令のままに》でした。
同じ色、同じ狙い。それでも「主軸を厚くする」か「答えを増やす」かで、リストは別物になります。
アンバー/エメラルドは、歌をどこまで信じるかの差
hakumai選手とぷぅ選手は、どちらもロイヤルドッグと呼ばれる形です。差が出たのは《UNDER THE SEA》の枚数でした。
hakumai選手は4枚。本人も「《トランプ》で大量ドローと《UNDER THE SEA》を狙います」と語っていて、《トランプ》は3種類あわせて10枚入っています。合唱のために《レディ – ミス・ニューヨーク》3枚と《メイ・リー – リード・ボーカリスト》2枚も添えてありました。
ぷぅ選手は3枚で、《トランプ》は8枚。そのぶん《キット・クラウドキッカー – タフガイ》4枚と《エメラルドのクロミコン》《チェルナボーグ – 邪悪の化身》を1枚ずつ入れています。本人の言葉どおり「エメラルドらしいカードを少し増やした」構成です。
ぷぅ選手は、そのクロミコンでアンバー/スティール相手を牽制できたことを印象に残った場面として挙げていました。入れた1枚が、ちゃんと仕事をした試合があったということです。
アンバー/スティールは、歌の数え方まで一致していました
ハム選手とカワウソ_K1415選手は、同じアンバー/スティールでも切り札が違います。ハム選手は《ビヨンド・ザ・ホライズン》4枚、カワウソ_K1415選手は《A WHOLE NEW WORLD》4枚。本人が「強い」と挙げたカードが、そのまま4枚入っている形です。
そしてカワウソ_K1415選手のコメントに「《アリエル – 麗しい歌姫》と《メイ・リー – コントロール不能》の歌を加える効果を7枚採用しているところが気に入っています」とありました。リストを数えると、アリエル4枚+メイ・リー3枚でちょうど7枚です。
ハム選手のほうは同じ2枚が4枚ずつで、合計8枚。1枚の差ですが、この1枚をどちらに割くかが構築の性格を決めているのだと思います。
なお、カワウソ_K1415選手は《昔ながらのこの営み》を4枚入れていました。公式の戦略記事が「ルビー/サファイアに特に効果的」と名指ししていた歌です。
準優勝のリストだけ、61枚ありました
8つ並べて唯一ちがったのが、準優勝したマナベ選手のルビー/サファイアです。合計が61枚あります。
ロルカナのデッキは「60枚以上」で、上限はありません。ですので61枚は正しい構築です。ぴったり60枚にするのが普通ではありますが、1枚増やしてでも入れたいカードがあった、ということだと思います。
マナベ選手が「工夫した点」に挙げていたのは《ベル – 見習い発明家》でした。リストではこれも4枚。チームメイトと採用カードを検討したとのことで、その結論が61枚目まで含んだこの形だったのでしょう。
中身は《モーリスの工房》4枚と《魚の骨ペン》4枚でドローとインクを伸ばし、《タマトア》2種7枚と《シスー – 兄弟姉妹の希望》4枚につなぐ形です。準決勝で《ラッキーダイム》を引き込んで勝ち筋に入った場面がありましたが、そのラッキーダイムは1枚しか入っていません。
1人だけ、まったく違う勝ち方をしていました
けちゃまる選手のエメラルド/ルビーだけは、他の7つと発想が違います。《ヘラクレスの帰還》4枚で《レヴィアタン – アトランティスの守護怪獣》4枚を出す形です。
《マイロ・サッチ – 現場主義》と《シスー – 兄弟姉妹の希望》が1枚ずつという、細かい枠の使い方も特徴的でした。デッキ選択の理由は「ちゃぶ台返しが好きだから」。
準決勝では、この《レヴィアタン》を警戒しつづけたマナベ選手に止められています。それでも、大会前の分布で4.7%しかいなかった色でTOP4まで来ているわけで、狙いが通った試合も相当あったはずです。
並べてみて思ったこと
8つのリストを見て一番はっきりしていたのは、選手が語った「工夫した点」が、そのまま枚数として入っているということでした。エリノア4枚、兵士1枚、歌7枚、ベル4枚。どれもコメントとリストが一致しています。
デッキリストは「強いカードの一覧」ではなく、その人がその日、何を信じることにしたかの記録なのだと思います。
8つともデッキ検索に入れてありますので、中身を1枚ずつ見たり、そのまま自分のマイデッキに写したりできます。値段も出ます。
「チャレンジ2026 Autumn 神戸」TOP8プロフィール(タカラトミー公式サイト、2026年9月6日)に掲載された各選手のデッキURLより
⚠️ デッキの中身は、公式のTOP8プロフィール記事に掲載されている各選手のデッキURL(公式デッキビルダーのデッキコード)をそのまま読み込んだものです。枚数の数え間違いは起きません。枚数の集計・種類数の比較はロルカナギルド側で行いました。ロルカナのデッキは60枚以上で上限がないため、マナベ選手の61枚も正しい構築です。選手名は公式の表記に合わせています。










