2026-10-07
1コストのミッキーマウスはアグロに入るのか ― 10万試合まわして《レディ - ゆったりゆっくり》と比べました
ハイペリアシティの《ミッキーマウス - 名物店主》が話題です。アンバー、1コスト、0/4、ロア2。「<冒険心>(このキャラクターはチャレンジできず、可能ならクエストする)」と「ホットドッグ!ホットドッグ! あなたのターン終了時、このキャラクターがエグザートしているなら、各プレイヤーはインク・ドロップを1つ得る」を持っています。
1コストでロア2のクエスト要員は、アグロに入れると強いのか。当サイトのAI(対戦シミュレータ)でひと晩かけて確かめました。比べる相手は、同じ弾の同じ1コスト、《レディ - ゆったりゆっくり》(エメラルド、1コスト、3/1、ロア1、魔除)。こちらは能力の無い、攻撃力3の体です。
試し方
土台は日本一決定戦2026に出た、おちょこ選手のアンバー/エメラルド(ドッグ)です。
1コスト: キーダ - アトランティス人 ×4、オーロラ - 姫のお披露目 ×4、レディ - 凛々しいお嬢さん ×4、ボビー・ジムルースキー - スプレーチーズ小僧 ×4 / 2コスト: リロ - 抜け出し名人 ×4、柳の木のおばあさん - 古き善き相談相手 ×4、アースラ - 騙し屋 ×4、トランプ - 切れ者の犬 ×4 / 3コスト: ナニ - ステージマネージャー ×4 / 4コスト: 女王 - 欺きの姿 ×4、エリノア - 名高い外交家 ×4 / 5コスト: キーダ - アトランティスの守護者 ×4、レディ - ミス・ニューヨーク ×4 / 7コスト: トランプ - 裏路地暮らしの犬 ×4 / 8コスト: Under the Sea ×4
キャラクター56枚、アクション4枚。1コストが16枚あるので、ここから《キーダ - アトランティス人》(2/2、能力なし)の4枚を抜いて、ミッキー4枚、レディ4枚にそれぞれ替えました。
どれだけ回したか
「AIで試した」だけでは当てになりませんので、回数を書いておきます。
・1つの構成につき2,280試合。日本一決定戦2026の実績デッキ57本を相手に、1本あたり40試合(先攻後攻を半々)です。この単位で20通り以上の構成を測っているので、ここだけで4万5千試合以上。
・発売後の環境は、入れ替えを配った43本 × 40試合 = 1,720試合を、元のリスト・ミッキー・レディの3通り。
・1枚の働きの集計は、主要5デッキ × 100試合 = 500試合を構成ごとに取り直しました(先に50試合で取ったものと同じ数字が出たので、ここは安定しています)。後の「早く出せれば違うか」も、同じログを出せた時期で分けたものです。
・疑似大会は61デッキの9回戦スイスドローを200回。1回でおよそ270試合なので、約5万4千試合です。

合わせて10万試合あまり。それでも57本 × 40試合の測り方は ±2ポイントぶれますし、疑似大会の勝率も1回あたりの標準偏差が1.2ポイントあります。ですから1本の結果で決めず、測り方を変えて同じ向きに出るかどうかで読んでいます。
相性(AIの推定、5段階)
「キーダ(元のリスト) → ミッキー → レディ」の順に書きます。
・アンバー/エメラルド(ドッグ同型): 有利 → やや有利 → 有利
・アンバー/スティール(歌ミッドレンジ): やや有利 → やや有利 → やや有利
・エメラルド/スティール: 五分五分 → 五分五分〜やや有利 → やや不利
・サファイア/ルビー(アイテム・ランプ): 有利 → やや有利 → 有利
・エメラルド/ルビー(コンボ): 有利 → 有利 → 有利
・アメジスト/サファイア(コントロール): 有利 → 有利 → 有利

ミッキーに替えると、ドッグ同型とサファイア/ルビーが一段下がり、エメラルド/スティールがわずかに上がります。レディは元のリストと同じ並びで、エメラルド/スティールだけ下がります。57本をまとめると、レディは元のリストと同じかわずかに上、ミッキーはわずかに下でした。どちらも誤差(±2ポイント)の内側ですが、向きははっきりしています。
1本だけの偶然かもしれないので、同じ大会のドッグをあと3本(きりい選手・うらもけん選手・にしおか選手)取って、同じように1コスト枠を替えました。4本のうち3本でレディが上。ミッキーが上だったのは1本だけで、4本の平均ではレディが元より少し上、ミッキーが少し下。おちょこ選手のリストと同じ向きです。
ミッキー1枚は何をしているか
模擬戦のログから、ミッキー1枚の働きを数えました(主要5デッキ × 100試合)。
1試合に引けるのは平均1.5枚、出せるのは1.4枚。自分の2ターン目までに出せたのは、出した枚数の3分の1でした。1コストでも、手札に来るのは思ったより遅いのです。
出したミッキーは、平均1.5回クエストして(ロア3)、7割強が除去かバウンスで場を離れます。試合の最後まで残るのは4枚に1枚。場にいる自分の手番は平均1.6回。相手がサファイア/ルビーのときは87%が除去され、稼ぐロアは1枚あたり2を切ります。エメラルド/スティールのときは63%で、ロア3強。
ターン終了時のインク・ドロップは、相手も同じだけ受け取ります。1試合あたり約2個ずつ。アグロ同型やランプの相手には、この1インクで展開が1手早まります。つまり、1枚が稼ぐ3ロアを、相手に渡す2インクと除去でほぼ取り返されている形です。
レディのほうは、出せる枚数は同じくらい(1.4枚)、除去される割合も同じくらい(7割)で、場にいる手番はミッキーより少し長い。違いは仕事の中身です。レディは殴り役。1コストで攻撃力3なので、相手の1〜2コストのキャラクターを一方的に倒せます。そして相手に何も渡しません。伸びるのはドッグ同型とサファイア/ルビーで、ミッキーが下がる対面と裏返しです。
もし相手にインクを渡さなかったら
ここはシミュレータでしかできない実験です。ミッキーの能力を「自分だけがインク・ドロップを得る」に書き換えて(実在しないカードです)、同じ模擬戦をしました。
するとドッグで9ポイント、ミッドレンジ寄りのアンバー/エメラルドで7ポイント、勝率が上がりました。1コスト枠の入れ替えで普通に動く幅(±2〜3ポイント)とは桁が違います。

1コストで0/4、ロア2という体そのものは、とても強い。負けているのは体ではなく、相手に渡す1インクのほうです。デメリットの無いカードだったら、アグロの必須札になっていました。
早く出せれば違うか
「1ターン目に出せた試合は強いのでは」という見方があるので、出せた時期で試合を分けました。
・ドッグ+ミッキー: 自分の2ターン目までに出せた試合は、一度も出さなかった試合より5ポイント上。3ターン目以降に出した試合はその中間。
・ドッグ+レディ: 2ターン目までに出せた試合も、3ターン目以降に出した試合も、出さなかった試合より6〜7ポイント上。出す時期を問いません。攻撃力3は中盤でも仕事があるからです。
・ミッドレンジ寄りの新弾アンバー/エメラルド+ミッキー: 早く出せた試合は、出さなかった試合より14ポイント上。こちらは早出しが効きます。
ミッキーは「早く出せた試合」でも伸びが小さく、レディは「いつ出しても」伸びる、という違いです。
何を抜くかで答えが変わる
おちょこ選手のリストで、ミッキー4枚を入れるために抜く札を変えてみました。
・《キーダ - アトランティス人》(2/2)を抜く → 元より一段下(上の表)。
・《レディ - 凛々しいお嬢さん》(0/3。キャラクターを出すたび+1{S}、3{S}以上ならロア+2)を抜く → はっきり下がる。ドッグ同型とアンバー/スティールが二段、サファイア/ルビーが一段落ちます。このレディはドッグのロア源なので、ここは替えられません。
・《ボビー・ジムルースキー - スプレーチーズ小僧》(1/2、出たとき1枚引いて1枚捨てる)を抜く → 元よりわずかに上。エメラルド/スティールが一段上がり、ほかは元のまま。

ミッキーは、ボビーよりは上、キーダと同格かやや下、レディ(凛々しい)よりはるかに下、という位置です。入れるなら、ロア源や体の枠ではなく、ボビーのような手札調整の枠と交換です。2枚だけ入れる形は、4枚の損のちょうど半分でした。
どこでミッキーが効くのか、発売後の環境、疑似大会
ミッキーが上向くのは、歌の2点火力で0/4が落ちないアンバー/スティールやエメラルド/スティールの相手です。新弾主体のアンバー/エメラルド(4〜5コストも入ったミッドレンジ寄りのリスト)に入れると、アンバー/スティールとエメラルド/スティール相手が伸びて、全体でも少し上がりました。逆にアンバー/スティールの歌ミッドレンジ自身に入れると、ドッグ相手が大きく下がりました。
相手側も新弾を使い始めた環境(アンバー/スティールとエメラルド/スティールにフラッシュ、サファイア/ルビーにプリシラなどを配った43本)でも測りました。ドッグ+ミッキーは元より一段下、ドッグ+レディは同じ。中身を見ると、ミッキーは歌デッキ相手には伸びるのに、ドッグ同型とサファイア/ルビー相手に大きく落ちます。相手が速くなるほど、インクを渡す損が広がる向きです。
その環境で61デッキの疑似大会(9回戦、200回)に混ぜると、新弾主体のアンバー/エメラルド+ミッキーが1位(元のリストは10位)、ドッグ+レディが6位(おちょこ選手の元のリストは7位)、ドッグ+ミッキーは16位でした。同じミッキーでも、入れるデッキで1位と16位に分かれます。
結論
アグロの1コスト枠の既定はレディ。攻撃力3の体で序盤を取る役で、出す時期を問わず働きます。4本のリストでも、発売後の環境でも、疑似大会でも同じ向きでした。
ミッキーは「ミッドレンジ寄りのアンバーで、歌デッキの多い場に入れる差し替え札」。除去が間に合う相手、殴り合いが速い相手には入れない。入れるときは、ロア源の《レディ - 凛々しいお嬢さん》や体の《キーダ》と交換せず、《ボビー》のような手札調整の1コスト枠と交換します。
「1コストでロア2」の見た目ほどは稼げません。除去されるまで平均1.5回、相手にもインクを渡す、の2つが理由です。デメリットを外した実験で7〜9ポイント上がったので、弱いのはデメリットのほうで、体は強いと言えます。

注意点を3つ。(1) AIによる推定です。AIはインク・ドロップを「余ったインク」としてしか使わないので、ドロップを受け取った側の得は人のほうが大きく出る可能性があります。つまりミッキーの損は、ここに書いたよりもう少し大きいかもしれません。(2) 体で殴るデッキは強めに、コンボやコントロールは弱めに出る癖があります。(3) カードの情報は発売前の公開分で、発売時に変わる可能性があります。
追記(10月12日): ハイパーアグロでは上がりました
その後、当サイトに登録されているルパンさんのアンバー/アメジスト「ルパンスペシャル」で同じように比べたところ、ミッキー4枚で +5.8ポイント、苦手のドッグが「やや不利 → 五分五分」まで上がりました。1〜2コストを厚く積んで先にロアを走り切るハイパーアグロなら、渡したインクで相手が追いつく前に試合が終わる、という読みです。詳しくはルパンスペシャルの記事をご覧ください。
⚠️ 相性と1枚の働きは、当サイトのAI(ロルカナの対戦シミュレータ)が日本一決定戦2026の参加者のデッキリスト57本を相手に回した模擬戦に基づく推定です。試行回数は、1つの構成につき57本 × 40試合(先攻後攻を半々)= 2,280試合を20通り以上、1枚の働きと条件つき勝率は主要5デッキ × 100試合、発売後の環境は43本 × 40試合、疑似大会は61デッキの9回戦スイスドローを200回で、合わせて10万試合あまり。57本 × 40試合の測り方の誤差は±2ポイント、疑似大会の勝率は1回あたりの標準偏差が1.2ポイントです。土台のリストは日本一決定戦2026のおちょこ選手のもの(公式コラムで公開されたデッキURLをもとに当サイトのデッキ検索へ登録したもの)で、入れ替えはこちらの判断です。「相手にインクを渡さなかったら」は能力を書き換えた架空のカードによる実験で、実在しません。「発売後の環境」は実績デッキのうち43本に、模擬戦で効果を確かめた入れ替え(1つの型につき1種類4枚)を配った環境です。カードの数値と効果は2026年10月7日時点で公開されていた発売前の情報で、発売時に変わる可能性があります。相性は5段階の判定のみ掲載しています。AIの癖(体で殴るデッキが強めに、コンボ・コントロールが弱めに出る)を踏まえてお読みください。
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