2026-08-11
予選第9試合 徹底解説 ― ささぼー選手 vs シンゲツ選手
この試合の位置づけ
ディズニーロルカナ チャレンジ 2026 Summer 横浜、予選第9試合。
実はこの試合、両者ともすでに決勝トーナメント進出を決めていた状態で行われた一戦です。
勝敗による順位変動こそあれ、いわゆる"消化試合"ではありません。今の環境を象徴するデッキ同士がぶつかる、好カードとして組まれたと見て良さそうです。
対戦したのはささぼー選手・シンゲツ選手ともにエメラルド/スティール。現在猛威を振るう「アンバー/エメラルド(通称ロイヤルドッグ)」のアグロ展開を咎めるために組まれた、いわゆる"メタキラー"デッキ同士のミラーマッチです。
鍵を握るカード「ディアブロ」
両者の中心カードは3コストのディアブロ。
スティール側への変身(Shift)を持ち、変身後は2コストの姿で「ヴィランズが場にいる間、攻撃力+2・ロア+1」という強力な常在能力を得ます。
変身は代替コスト、つまりインク・コストそのものを支払う代わりの別の支払い方法。通常の2コスト域よりも早いタイミングで、より重いスタッツのキャラを展開できるのがポイントです。
さらに「エグザートしている間、自分のヴィランズはチャレンジ対象に選ばれない」という保護効果も持っており、本来は歌唱のためにエグザートすると弱くなりがちなアースラのようなヴィランズを安全に運用できます。まさにこの構築のために存在するようなカードなんです。
今のメタで多いルビーの回避(Evasive)持ち脅威への対策も、両者とも意識した構築になっていました。シンゲツ選手はここにビースト系のテックカードを追加した独自の調整を見せていました。
試合展開
先攻・後攻を決めるダイスは、ささぼー選手が制し、先攻を選択。
ただし初手には2コスト帯のカードがなく、変身ラインは手札に確保できていたものの、マリガン(手札交換)で2コスト帯を探しに行く選択をします。
ロルカナのマリガンは全部引き直すのではなく、好きな枚数だけ選んでデッキの下に戻す方式。変身用の手札を残しつつピンポイントで補充できるのが利点です。
シンゲツ選手側は1コストのディアブロとアースラを含む初手をキープしました。
ここからささぼー選手が試合を支配します。
序盤、ディアブロ関連の効果でシンゲツ選手の手札を確認する"スカウト"を行い、相手の計画を見た上で自分の展開を組み立てました。
以降はピートで盤面を止めつつ、歌カードをシンゲツ選手のキャラクター除去だけでなく、シンゲツ選手自身の歌唱リソースを削る目的でも使用。
単に盤面のキャラを減らすだけでなく、相手が自分の歌を歌うための「歌える体」そのものを奪っていく、テンポとリソースの両面を意識したプレイです。
19分過ぎ、再度手札確認系の効果でシンゲツ選手にもう有効な返し札が無いことを確認すると、ここでみんなで一気にクエストへ。
ロア20点に到達し、そのままゲームセットとなりました。
解説者の総括
解説の原根健太さんは、ささぼー選手の勝因をこう評していました。
「1ターン目からディアブロで相手の手札を見て、そこから逆算してゲームプランを組み立て、レースではなく相手のテンポとリソースを地道に奪い続けたこと」
最後にひとつ
実はこの試合、両者ともすでに決勝トーナメント進出を決めていた状態で行われていました。
極端に言えば、順位以外にこの試合で失うものはなかったんです。
それでも一切手を抜かず、ここまで丁寧に、ここまで真剣に戦う ― その姿勢に、正直かなり胸を打たれました。強さって、こういうところにも表れるんですね。
なお、ささぼー選手はご自身のX投稿によると、この後のベスト16で敗退し、日本一決定戦出場まであと一歩届かなかったとのこと(本人発信のため未検証情報です)。