enforcement · Class 07 · 約11分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
Enforcement クラス07 順番が前後した処理
原典: Lore Guide Institute, Enforcement Class 07 “Out-of-Order Sequencing” https://institute.lorcanajudges.com/learn/enforcement-07-out-of-order-sequencing/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約11分 / 小テスト7問
対象: 順番が前後して行われた行動について裁定する準備をしているロアガイド。正しい順番そのものは ルール クラス02・03 が説明しています。双方の話をどう聞き、盤面をどう読み、裁定をどう伝えるかは ルール クラス06 が扱います。
このクラスで身につくこと
- 順番が前後した処理(out-of-order sequencing)が何を認めているかを言え、争いになった行動の束に3つの制限を当てはめられる
- 争いになった一連の処理が、正しい順番と同じ適正なゲームの状態に行き着くかどうか、また順番によってその行動にできることが変わったかを判断できる
- 2つの固い線引きを守らせられる ―― 見落とした誘発能力をあとから拾うことはできない、そして行動をやり直させる権利は無い
- 宣言された一まとまりの行動が、Takeback の方針のもとで1つのプレイとして数えられることを説明でき、カードを動かす前に束を宣言するようプレイヤーに教えられる
先に読むことを勧めるクラス: ルール クラス02「ターンの構造、ステップとフェイズ」/ルール クラス03「バッグ ―― 誘発能力はどう解決するか」/ルール クラス06「呼ばれたときの対応 I」
訳注: 大会ルール(Tournament Rules)とプレイ修正指針(Play Correction Guidelines / PCG)は **日本語版が公開されていません。**違反名(General Rule Error、Missed Trigger など)は 定訳が無いので、原語のままにして初出で説明を添えています。
プレイヤーは遊びながらゲームを圧縮します。「クエスト、クエスト、クエスト」と言いながらキャラクター3体を一度に横向きにする。支払う対象のカードが卓に出る前にインクをエグザートする。チャレンジをひとつの動作でやってしまう。**どれも、ルール クラス02・03 が教えた厳密な順番どおりではありません。**そして大会ルールは、3つの制限の中でなら、それを意図的に許しています。
このクラスが扱うのは、その余地がどこで終わるかです。どの束が同じ適正なゲームの状態に行き着き、どの束が行き着かないのか。そして、順番が前後した処理が不正だったとき、プレイヤーが求めてよいこと・よくないことは何か。
01 ルール
**プレイヤーは、正しい順番ではないが、正しい順番なら行き着いたはずの「同じ適正なゲームの状態」に至る一連の行動をとってよい。**これが認められていて、3つの制限が付きます。〔1〕
- とられた行動が、すべて適正であること。
- 順番が前後した行動が、操作の順番によって他の行動に違った影響を与えないこと。
- 対戦相手から何らかの情報を得るために使われないこと。
要となるルール: 判定は最初の一文にある ――「同じ適正なゲームの状態」に行き着くかどうか。〔1〕
争いになった束があなたのところへ来たら、**プレイヤーが使った順番と、ルールが定める順番を並べて、どちらも同じところに行き着くかを問います。**行き着き、かつ上の3つの制限を満たしているなら、実際の見た目がどうであれ、その一連の処理は適正です。
02 大会ルールが挙げる2つの例
図1 · 最後の状態は同じでも、結論は違う
インクの支払い
実際の順番 ルールが定める順番
1. インクをエグザート 1. カードを公開する
(コストの支払い) (プレイするカード)
2. カードを公開する 2. インクをエグザート
(プレイするカード) (コストの支払い)
最後の状態: インクはエグザート、カードは公開 ← どちらでも同じ
結論: 適正。同じ適正な状態に行き着き、何も知られていない
ターン開始時の捨て札(枚数は例です)
実際の順番 ルールが定める順番
1. ドロー(手札 7 → 8) 1. その時点の手札から1枚捨てる
→ 8枚の中から選ぶ → 7枚の中から選ぶ
2. 増えた手札から1枚捨てる 2. ドロー(手札 6 → 7)
(手札 8 → 7)
最後の状態: 手札7枚 最後の状態: 手札7枚
→ 引いたカードが捨て札になりうる → 引いたカードは手札に残る
結論: 順番が前後した処理は当てはまらない。
順番によって、選ぶ対象のカードの集合が変わる
3つの制限で裁定してください。最後の枚数が合うかどうかで裁定してはいけません。
大会ルールの2つの例を並べたものです。インクの支払いはどちらの行動が先でも同じ適正な状態に行き着くので、その順番は認められます。捨て札のほうは順番によって選ぶ対象のカードの集合が変わるので、順番が前後した処理は当てはまらず、訂正の措置が適切な場合があります。〔1〕上の手札の枚数はあくまで例です。
**適正な例: インクの支払い。**支払うカードが公開される前にインクをエグザートした場合です。〔1〕厳密には、支払いはプレイの宣言のあとに来ます。しかし判定にかけてみてください。インクはどちらでもエグザートされ、カードはどちらでもプレイされ、最後の状態は同一で、何も知られていません。
不正な例: ターン開始時の捨て札を、先に引いてから行った場合。〔1〕判定にかけると、**制限の2つ目で落ちます。**捨てるカードを選ぶ対象の集合が、順番によって変わるからです ―― ドロー前の手札と、新しい選択肢が加わったドロー後の手札とでは、違います。順番がその行動にできることを変えたので、順番が前後した処理は当てはまらず、大会ルールもそう明言しています ――訂正の措置が適切な場合があります。〔1〕どこに振り分けるかは Enforcement クラス04 のとおりで、**個別の項目に当てはまらないゲーム中の違反は General Rule Error(一般的なルールの誤り)**です。〔2〕
**この2つ目の例が、難しい場面すべてのひな型です。**問うべきは「順番は問題になったか」であって、「順番は間違っていたか」ではありません。何かの集合から選ぶ行動(捨てる、選ぶ、その中から退場させる)は、その集合を変えるものが別にあれば、その瞬間に順番に左右される行動になります。
03 2つの固い線引き
(1)見落とした誘発能力を、あとから拾うことはできない。
大会ルールはこれを一文で片付けています ――プレイヤーは順番が前後した処理の適用に注意すること。これは Missed Trigger(誘発能力の見落とし)を一切カバーしない。〔1〕**「順番を前後させていただけです」と言って、忘れていた誘発能力をあとから唱え直すことはできません。**誘発能力が見落とされた時点で、Enforcement クラス04 の見落としの手当てに従います。順番が前後した処理は、この件について何も言っていません。〔3〕
(2)行動をやり直させることはできない。
あなたが耳にするであろう要求 ――「順番が違うから、見えるようにちゃんとやり直してください」―― は、**どの文書のどこにも対応するものがありません。**3つの制限が、**すでに対戦相手の保護になっています。**不正な行動、行動にできることを変えてしまう順番、対戦相手から取った情報は、どれも禁じられていて、束がそのどれかに触れたときに、あなたはそれについて裁定します。
混乱した対戦相手が本当に持っている権利は、ゲームの状態がはっきり分かることです。そのための道具は、あなたがすでに守らせているものです ――場にあるカードの状態は、求めがあれば完全かつ正確に述べられる〔4〕、そしてどのゾーンも、いつでも数えられる〔5〕。裁定はたいてい2文で済みます。「この一連の処理は適正です。そして、いまの盤面はこうなっています。」
04 宣言された束を取り消す
Takeback の方針(Enforcement クラス06)は、「プレイ」を単一の行動、または、まとめて行うと宣言された1回の Out-of-Order Sequence として行われた複数の行動の束と定めていて、Takeback の際は宣言された一連の処理の全体が1つのプレイになります。〔6〕
「この3体でクエストします」と1つの束として宣言されたものは、Takeback が認められる場面なら**1つのプレイとして戻せます。**同じ3回のクエストでも、別々のプレイとして行われたものは戻せません。〔7〕
**プレイヤーには、束を宣言してからカードを動かすよう教えてください。**そうすれば対戦相手も、どの行動をまとめて行うつもりなのかを追えるようになります。
05 卓での進め方
呼ばれたときの受け方は ルール クラス06 のとおりです。
- カードはそのままにしてもらい、何が起きたのかを確かめます。
- 行動をとったプレイヤーに、順番どおりに説明してもらいます。
- それをルールが定める順番と並べ、3つの制限を確かめます。
- 同じ適正なゲームの状態に行き着き、3つとも満たしているなら、適正だったと説明します。
- 制限が破られているなら、どれが破られたかを名指しし、そこで表に出た違反について裁定します。たいていは General Rule Error です。〔2〕
- 見落とされた誘発能力は、それ自身の手当てに従います。そもそも順番が前後した処理の話ではありませんでした。
- どちらの結論でも、最後に盤面を読み上げて、2人ともゲームの現状が分かるようにして終わります。
**次は Enforcement クラス08。**試合の進め方と時間管理を扱います ―― 先攻・後攻の選択、試合終了時の手順、結果の報告、そして投了です。
用語について(訳者から)
| 英語 | この訳 | 備考 |
|---|---|---|
| out-of-order sequencing | 順番が前後した処理 | 大会ルールの規定 |
| Out-of-Order Sequence | 順番が前後した一連の処理 | 宣言の単位としての呼び名 |
| the same legal game state | 同じ適正なゲームの状態 | このクラスの判定基準 |
| Missed Trigger | Missed Trigger(誘発忘れ) | PCG の違反名。日本語版が無いので原語のまま |
| General Rule Error | General Rule Error(一般的なルールの誤り) | 同上 |
| Takeback | Takeback(直前のプレイの取り消し) | 同上。Enforcement クラス06 参照 |
| corrective action | 訂正の措置 | 措置の個別名(Warning など)は原語のまま |
| zone | ゾーン |
要確認: Missed Trigger / General Rule Error / Takeback は、プレイ修正指針の 日本語版が公開されていないため**定訳がありません。**原語のままにしてあります。
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。