enforcement · Class 06 · 約16分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
Enforcement クラス06 Takeback と巻き戻し
原典: Lore Guide Institute, Enforcement Class 06 “Takebacks and Rewinds” https://institute.lorcanajudges.com/learn/enforcement-06-takebacks-and-rewinds/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約16分 / 小テスト9問
対象: 「やり直したい」という申し出に応じる用意のあるフロアのロアガイド。呼ばれる場面のなかで、いちばん感情が動く種類の呼び出しです。呼ばれたときの受け方は ルール クラス06、訂正の措置の仕組みは Enforcement クラス03、このクラスが土台にする General Rule Error は Enforcement クラス04 が扱います。
このクラスで身につくこと
- なぜプレイは取り消せないのかを説明でき、そのうえで Takeback を、ロアガイドが認めうる狭い例外として与えられる
- 申し出を大会ルールの判定にかけられる ―― 直前のプレイであること、そのあと何も起きていないこと、情報を得ていないこと、そして判断がつかないときは認めないこと
- 不正なプレイを、文書が認める2つの道筋のどちらかで処理でき、宣言された一まとまりの行動を「1つのプレイ」として扱える
- Takeback がどこで終わり、巻き戻しがどこから始まるかを言え、リードロアガイドが判断するのに必要な材料を渡せる
先に読むことを勧めるクラス: ルール クラス06「呼ばれたときの対応 I」/Enforcement クラス03「訂正の措置の仕組み」/Enforcement クラス04「Rule Errors」
訳注: 大会ルール(Tournament Rules)とプレイ修正指針(Play Correction Guidelines / PCG)は、 どちらも日本語版が公開されていません。このクラスに出てくる違反名・措置名(Takeback、 General Rule Error、Warning など)は、勝手な訳語を作らず原語のままにして、 初出でかっこ書きの説明を添えています。日本語の定訳が出たら差し替えてください。
片方のプレイヤーは間違いをなかったことにしたい。もう片方は、正当に得た優位を返したくない。この場面は2つの文書がまたいで扱っています。大会ルールが Takeback の方針を定め、PCG が巻き戻しのやり方を定めています。あなたの仕事は、どちらのプレイヤーの気持ちにも裁定を決めさせずに、この2つを運用することです。
01 原則はこちら
まず大会ルールが立っているところから始めます。プレイヤーには、はっきりした、意図のある判断をすることが求められていて、原則として、一度行ったプレイは取り消せません。〔1〕これがルールです。このクラスの残りは全部、正直な間違いと手元の狂いに対する限られた例外の話で、例外はどれもロアガイドの承認が要り、以下の指針に従わなければなりません。〔1〕
要となるルール: 原則として、一度行ったプレイは取り消せない。Takeback はその例外であり、ロアガイドの承認が要る。〔1〕
このことを、卓で使う言葉のなかに残してください。Takeback を認めないことは、そのプレイヤーを罰しているのではありません。ゲームの進め方そのものに例外を作るのを、見送っているだけです。
2人が合意しても、Takeback の根拠にはなりません。「取り消していいと2人で話がついています」と言われたら、それはどちらにも与える権限のないものについて合意している、ということです。Takeback は自動では認められず、ロアガイドの承認が要り、承認なしにプレイヤーが勝手に行ってはいけません。〔2〕
**誰が承認するのかに注意してください。Takeback は、どのロアガイドでも承認できます。**このクラスの最後に出てくる巻き戻しは、そこが違います。
02 何をもって「1つのプレイ」とするか
Takeback とは、プレイヤーの直前のプレイを丸ごと元に戻し、その直前の状態に戻して、別の選択をやり直せるようにすることです。大会ルールはその単位を定めています。ひとつのプレイとは、キャラクターでチャレンジするような単一の行動か、まとめて行うと宣言された1回の Out-of-Order Sequence(順番が前後した一連の処理)として行われた複数の行動の束です。たとえば複数のキャラクターで一度にクエストする場合です。Takeback の際は、宣言された一連の処理の全体が1つのプレイとして数えられます。〔1〕
順番が前後した処理そのものは Enforcement クラス07 で扱います。ここで大事なのは、宣言された束は1つとして戻るが、同じ行動でも別々のプレイとして行われたものは戻らないという点です。常連のプレイヤーには、カードを動かす前に束を宣言するよう教えてください。1つとして戻せるのは、宣言された束だけです。
03 認められる条件
申し出は毎回、大会ルールの条件に、この順でかけます。〔2〕
- **そのプレイヤーの直前のプレイであり、自分のターン中に行われたものであること。**それより前のものには手が届きません。
- **そのあと何も起きていないこと。**あとから何かのプレイや行動が続いていれば、Takeback はもう使えません。
- そのプレイから追加の情報を得ていないこと。何が情報にあたるかは大会ルールが書いています。効果の解決(カードを引く、デッキからカードを公開する、キャラクターを退場させるなど)、誘発能力の解決、そしてプレイのあとの対戦相手の反応、あるいは反応が無かったことを見て取ることです。〔2〕プレイを差し出したまま相手の表情をうかがったプレイヤーは、情報を得ています。
- **判断がつかないときは、認めない。**情報を得たかどうか、あるいは Takeback が適切かどうかをロアガイドが判断できないときは、原則が適用され、Takeback は認められません。〔2〕
ひとつだけ例外があり、いちばんよくある正直な取り違えが直せるようになっています。プレイの一部として自分の手札から公開したカードは、ここでいう追加の情報にはあたりません。〔2〕たとえば、インクするためにカードを公開して、すぐに別のカードをインクしたいと言った場合です。自分の手札には、その人がまだ知らないものは無かったからです。
もうひとつ、方針全体を駆け引きから守るルールがあります。プレイヤーは、相手の判断を確定させて Takeback の芽を摘むために、急かしたり、圧力をかけたり、強いたりしてはいけません。〔2〕「もう触ったんだから決まりですよ」と相手に言い続けるプレイヤーは、方針を守らせているのではなく、方針に逆らっています。
04 大会ルールが挙げる8つの例
文書は8つの具体例を挙げています。このクラスの練習問題そのものなので、これで感覚を合わせてください。〔3,4〕
認められる例〔3〕
- 行動のためにキャラクターを選び、すぐに別のキャラクターにしたいと言った。
- インクするためにカードを公開し、すぐに別のカードをインクしたいと言った(上の例外にあたる)。
- チャレンジを宣言し、解決する前にすぐに気が変わった。
- 複数のキャラクターでのチャレンジを宣言し、すぐにやはりクエストしたいと言った。束が1つのプレイとして戻ります。
- いちばん学ぶところが多いのが5つ目です。プレイヤーが《風よ吹け》(「キャラクター1体を選び、2ダメージを与える。カードを1枚引く。」)をプレイし、対戦相手の《コグスワース – 大きな古時計》を選んだところで、魔除を持っていると指摘され、カードを引く前に Takeback を求めた。効果が解決して情報が生まれる前の申し出なので、認められます。
認められない例〔4〕
- 行動のためにキャラクターを選んだところで誘発した効果が解決してカードを引き、そのあとで戻したいと言った。情報を得ています。
- 別々のチャレンジを続けて何回か行い、その全部を取り消したいと言った。1つのプレイでもなければ、直前のプレイでもありません。
- カードをインクし、ターンを渡し、対戦相手が動いたあとで、インクを後悔した。あとの行動があった時点で、資格は終わっています。
認められる例はどれも、何も起きないうちに、その場で申し出たものです。この方針はその場の正直な取り違えのためにあるのであって、結果を見たあとで気が変わったときのためではありません。
05 そのプレイが不正だったとき
コグスワースの例は、大会ルールが不正な行動の例としても挙げているものです ―― 魔除を持つキャラクターを行動の対象に選ぶ、という不正です。不正な行動を含むプレイには、専用の手続きがあります。
そのプレイヤーは General Rule Error(一般的なルールの誤り)を犯しており、Enforcement クラス04 の表が割り当てる訂正の措置を受けます。そのうえで、対応するロアガイドは2つの道筋のどちらかを選びます。上の条件をすべて満たしているなら Takeback を認めるか、partial rewind(部分的な巻き戻し)を行い、適正な行動だけを使ってプレイを続けるよう指示するかです。〔5〕
ここでいう partial rewind は、不正なプレイそのものを、監督のもとで解きほぐすことです。これはゲームのルール自身がもともと要求しているものであって〔6〕、リードロアガイドが承認する rewind(巻き戻し)とは別物です。
要となるルール: 不正なプレイは、まず General Rule Error。そのうえで、条件をすべて満たすなら Takeback、満たさないなら適正な行動だけでの続行(partial rewind)。〔5〕
図1 · プレイを元に戻す3つの道筋
1 · Takeback(TR 3.7 / 3.7.1)
きっかけ : プレイヤーからの申し出
条件 : 以下をすべて満たすこと
- そのプレイヤーの直前のプレイで、自分のターン中のもの
(宣言された束は1つのプレイとして数える)
- そのあと何も起きていない(あとのプレイも行動も無い)
- そのプレイから情報を得ていない
(効果の解決/誘発の解決/対戦相手の反応・無反応)
※ プレイの一部として自分の手札から公開したカードは、情報にあたらない
承認 : どのロアガイドでもよい。ただし自動では認められない
判断がつかないとき : 認めない
2 · 不正なプレイ(TR 3.7.2)
きっかけ : プレイヤーまたはロアガイドが見つける
手順 : この順で
1. そのプレイヤーは General Rule Error。
訂正の措置は PCG 2.4 の表が定める
2. Takeback の条件をすべて満たすなら、Takeback を認める
3. 満たさないなら partial rewind。
適正な行動だけを使ってプレイを続けさせる
対応 : その場にいる担当のロアガイド
3 · rewind(巻き戻し)(PCG 1.2)
きっかけ : 誤りが、あとのプレイの下に埋まっているとき
心得 :
- そのままにしておくほうが著しく悪い場合に限る
- 直近のものから1行動ずつ戻す。
両者が知らないドローをさかのぼるときは、手札から無作為の1枚をデッキへ戻す
- あとの判断が変わっていたはずのとき、シャッフルなどの
新しい無作為の要素が挟まるときは、行わない方向に働く。
1ターンを超える巻き戻しは強く戒められている
承認 : リードロアガイドのみ
道筋1で、資格が切れるところ
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| プレイそのもの | その場で申し出たなら認められる |
| その効果が解決した/対戦相手が反応した | 資格はここで終わる(情報を得た) |
| そのあとに何かのプレイや行動があった | 認められない(あとのプレイが窓を閉じる) |
3つの道筋は、条件と誰が決めるかで見分けます。Takeback は直前のプレイだけを戻し、どのロアガイドでも認められ、迷ったら認めない側に倒します。〔1,2〕不正なプレイは、まず General Rule Error、そのうえで条件をすべて満たすなら Takeback、満たさないなら適正な行動だけでの続行です。〔5〕rewind はあとのプレイの下まで手が届き、1行動ずつ戻り、リードロアガイドだけが承認できます。〔7〕どこまで戻すかは、そのままにしておくほうが著しく悪いかどうかで判断します。行動の数を数えて決めるのではありません。
06 rewind(巻き戻し)
誤りが3つ前の行動にあって、ドローとチャレンジの下に埋まっていることがあります。Takeback では手が届きません。そこで初めて rewind が検討の対象になり、手続きの性格がすべて変わります。
rewind は、そのままにしておくほうが著しく悪い場合に限って使え、承認できるのはリードロアガイドだけです。PCG は古い呼称のまま「巻き戻しを承認できるのは Head Judge だけ」と書いています。〔7〕
卓で言う一言は、Enforcement クラス04 のものと同じです。「これは巻き戻しが要るかもしれません。リードを呼んできます。」
訳注: PCG の本文にある “Head Judge” は、現在の呼称では **Lead Lore Guide(リードロアガイド)**です。 文書側の表記がまだ追いついていないだけで、指しているのは同じ役職です。
**rewind は、直近のものから1行動ずつ戻します。目的地まで一足飛びに跳ぶことは決してしません。**戻る途中で、両者が知らないカードのドローをさかのぼるときは、そのプレイヤーの手札から無作為に選んだ1枚をデッキに戻します。本人が返したいカードではありません。〔7〕
そのときは、理由を声に出して言ってください。プレイヤーは見てしまったものを見なかったことにはできないので、分からない状態を偶然によって作り直すのがこの手当てです。これは Enforcement クラス04 の Card Count Error(カードの枚数の誤り)の手当てと同じ考え方です。
PCG はさらに2つの目安を挙げていて、どちらも巻き戻さない方向に働きます。誤りのあとに行われた判断が大きく違っていたはずであること、あるいはシャッフルのような新しい無作為の要素が入っていることは、巻き戻すべきでない強い根拠です。そして、1ターンを丸ごと超える巻き戻しは、行動がどれもごく単純だった場合を除いて、強く戒められています。〔7〕
リードを呼ぶ前に、2つのことを整理して、両方を持っていってください。
- このままにすると何が狂ったままなのか、そしてそれがこの先の進行に何をもたらすのか。
- 巻き戻すと何が元に戻るのか ―― いくつの行動が戻り、どのドローやシャッフルをさかのぼり、いま知っていることを踏まえてプレイヤーがやり直すことになる判断はどれか。
この比較こそが、リードが当てはめる「著しく悪いか」の判断材料です。
このクラスの小テストに合格すると、Play Correction バッジがもらえます。
**次は Enforcement クラス07。**順番が前後した処理を扱います ―― 省略が同じ適正な状態に行き着くのはどんなときで、行き着かないのはどんなときか。
用語について(訳者から)
| 英語 | この訳 | 備考 |
|---|---|---|
| Takeback | Takeback(直前のプレイの取り消し) | 大会ルールの定義語。日本語版が無いので原語のまま |
| rewind | rewind(巻き戻し) | PCG 1.2 の手続き。リードロアガイドのみが承認 |
| partial rewind | partial rewind(部分的な巻き戻し) | 不正なプレイ自体を解きほぐすこと。rewind とは別物 |
| General Rule Error | General Rule Error(一般的なルールの誤り) | PCG の違反名。日本語版が無いので原語のまま |
| Card Count Error | Card Count Error(カードの枚数の誤り) | 同上 |
| Out-of-Order Sequence | 順番が前後した一連の処理 | Enforcement クラス07 で扱う |
| Ward | 魔除 | 総合ルール 8.14 |
| Head Judge(PCG の旧称) | リードロアガイド | 文書側の表記が古いだけ |
要確認: Takeback / General Rule Error / Card Count Error / Play Correction バッジ は、 プレイ修正指針の日本語版が公開されていないため、**定訳がありません。**原語のままにしてあります。
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。