enforcement · Class 09 · 約17分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
Enforcement クラス09 伝え方と、もめごとの鎮め方
原典: Lore Guide Institute, Enforcement Class 09 “Communication and De-escalation” https://institute.lorcanajudges.com/learn/enforcement-09-communication-and-deescalation/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約17分 / 小テスト8問
対象: ルール クラス06 で呼ばれたときの手順を、Enforcement クラス03 で訂正の措置の仕組みを学んだフロアのロアガイド。
このクラスで身につくこと
- 裁定を両者に説明できる ―― 答えを先に言い、誰かのせいにしない言い方で何が起きたかを述べる
- プレイを進めてもらうよう頼めて、2人とも裁定を理解し、続ける用意ができているかを確かめられる
- ロアの数の食い違いに対応でき、言い争いがひどくなる前に落ち着いてもらえる
- 申し立て(appeal)をリードロアガイドに引き継げて、自分の誤りを自分で正せる
先に読むことを勧めるクラス: ルール クラス06「呼ばれたときの対応 I」/Enforcement クラス02「呼ばれたときの対応 II ―― 何が起きたかを突き止める」/Enforcement クラス03「訂正の措置の仕組み」
訳注: プレイ修正指針(Play Correction Guidelines / PCG)は日本語版が公開されていません。 違反名・措置名(Slow Play、Unsporting Conduct – Minor / – Major、Warning、Game Loss など)は 定訳が無いので、原語のままにして初出で説明を添えています。 また、このクラスに出てくるセリフの例は、英語の言い回しをそのまま訳すのではなく、日本語として 自然な言い方に置き換えてあります。意味は原文のとおりです。
プレイヤーがあなたを呼んだとき、必要なのは、あなたの裁定と、このあとどうなるのかが分かることです。2人ともに、はっきりした説明と、質問できる間を与えてください。とくに、答えに納得できていないほうへ。
呼ばれたときの基本の手順は ルール クラス06 にあります。ここで扱うのは、プレイヤーが食い違っているとき、いらだっているとき、申し立てたいと言ったときに、あなたが何と言うかです。
01 裁定を説明する
答えから始めます。「このチャレンジは適正です。理由を説明します。」そのうえで、ルールと、それが場のカードにどう当てはまるかを説明します。訂正の措置を与えるときは、PCG が、その理由と、なぜその違反に当たるのかを説明するよう求めています。〔1〕
何が起きたかは、できるだけ正確に述べます。
| 述べ方 | 何が違うか |
|---|---|
| 「カードが見えました」 | どの情報が明らかになったかを、2人に伝えている |
| 「のぞき見しましたね」 | 意図についての決めつけが足されている |
| 「誘発能力が処理されていませんでした」 | 誤りを特定している |
| 「また忘れたんですね」 | 特定に非難が混ざっている |
**誤りをはっきり説明することと、その人に「間違えた自分は愚かだ」と思わせることは、両立しません。**前者はできます。
**2人に向かって話します。できるだけ目線の高さを合わせて。**納得しているほうだけでなく、**納得していないほうの顔も見てください。**それぞれに、説明を追うだけの時間を与えます。
判断の根拠として文書を挙げます。「大会ルールでは……」「PCG はこの手当てを定めています」。該当する文言を見せて、この試合に即して説明します。プレイヤーが、あなたがどうやってその答えにたどり着いたのか、そして別の卓でも同じルールを当てはめるであろうことを分かるようにするためです。
02 プレイを進めてもらう
自分のプレイが遅いと気づいていないプレイヤーがほとんどだと PCG は述べていて、ひとこと声をかければたいていは足ります。〔2〕
次の行動を、まっすぐ求めてください。「いま、次の行動をお願いします。」これは、何をすればよいかがはっきり分かる指示です。「プレイが遅すぎます」のほうは、どれだけ考えていたかの言い争いを始めさせやすい言い方です。
ラウンドの残り時間が関わるなら、それも伝えます。「このラウンドは残り6分ほどです。」口調は淡々と。「考える時間はあるはずです」と返されたら、それを認めたうえで、同じ求めを繰り返します。「はい、考えていただいて構いません。そのうえで、いま、行動をお願いします。」
声かけで遅れが解消しないときは、Enforcement クラス05 の Slow Play(プレイが遅いこと)の項目を当てはめます。カジュアルでは Caution、Competitive では Warning です。〔2〕訂正の措置を与えるときは、それが措置であることを名指ししてください。声かけそのものは措置ではありません。
03 続ける用意ができているかを確かめる
その場を離れる前に、こう尋ねます。「ここまでで分からないところはありますか。」2人ともに答える間を与えます。そのうえで、「続けて大丈夫ですか。」
1つ目の問いは、裁定を理解できたかを確かめるものです。2つ目は、まだ何かおかしいと言う機会を与えるものです。説明は理解できていても、動揺していてゲームを再開できないということがあります。**その懸念を聞けるだけの時間は残ってください。**そのうえで、裁定をもう少し噛み砕くのか、申し立てに対応するのか、落ち着いてもらう手助けをするのかを決めます。
04 ロアの数の食い違い
ロアの増減は、そのつど新しい合計と一緒に宣言するよう、大会ルールが求めています。〔3〕プレイヤーにそれを思い出してもらってください。たとえば「ロアを2得て、12になりました。」カウンターを黙って動かすと、対戦相手は自分の記録を照合する手がかりを失います。
合計が食い違ったら、**ルール クラス06 の手順で試合を止めます。**そして、**それぞれに、どうやってその数になったのかを尋ねます。**クエストで得たロア、セットステップでロケーションから得たロア〔4〕、そして合計を動かした効果を、順にたどります。**2人の話を、場のカードと突き合わせます。**この組み立て直しは Enforcement クラス02 が詳しく扱っています。
**話を、食い違っているプレイに絞ってください。**2人とも自信があるなら、**もう一度合計を言ってもらっても決着はつきません。**具体的に尋ねます ――「前のターン、クエストしたのはどのキャラクターですか。」それぞれに答えてもらい、次に食い違う点へ進みます。離れる前に、これからは変化のたびに新しい合計を宣言するよう、あらためて伝えます。
誤った情報を伝えたことで対戦相手がそれを踏まえてプレイの判断をしていたなら、**Enforcement クラス05 の Information and Communication Error(情報伝達の誤り)**の項目に従います。その手当てとしての巻き戻しには、リードロアガイドの承認が必要です。〔5〕どうしても合計を合わせられないときは、リードロアガイドに助けを求めてください。
05 もめごとを鎮める
大会ルールは、状況を鎮める必要があるときに試合を止めることを認めています。〔6〕声が大きくなり始めた時点で入ってください。怒鳴り合いになってからでは遅いです。
**自分の声は低く、ただし聞き取りやすく。**2人から見える位置に立ち、できるだけ目線の高さを合わせて話します。順番に話してもらい、待つほうにはいつ順番が来るかを伝えます。「まずAさんの話を聞かせてください。Bさんにも必ず順番が回ります。」待っているほうが割り込んだら、順番が来ることをもう一度伝えます。
どちらが始めたかを決めずに、言い争いが起きていること自体は認められます。「少し熱くなっています。いったん止めましょう。」給水機まで少し歩いてもらうだけで、落ち着ける人もいます。自分ひとりで手に負えなくなる前に、早めにリードロアガイドを巻き込んでください。
図1 · 一人ずつ、順番に
場面1 ―― 2人が同時に話している
プレイヤーA(話す) ロアガイド プレイヤーB(話す)
A: 「こっちは12です。前のターン、2体でクエストしました」
B: 「12なんて言ってません。10のはずです」
場面2 ―― 一人ずつ話を聞く
プレイヤーA(次に話す) ロアガイド プレイヤーB(待つ)
ロアガイド: 「まずAさんの話を聞かせてください。
Bさん、次に必ず順番が回ります」
ロアガイド: 「いまのロアの数に、どう行き着いたか教えてください」
場面3 ―― このあとどうするかを、2人に伝える
プレイヤーA ロアガイド(話す) プレイヤーB
ロアガイド: 「ありがとうございます。お二人の話が合っている
最後のターンから、ロアの増減を一緒に確かめましょう」
ロアガイド: 「私の裁定に納得できないときは、
リードロアガイドに申し立てられます」
押し返されたときの返し方
| プレイヤーの出方 | あなたの返し |
|---|---|
| 相手の話に割り込む | 「Bさんの話もうかがいます。Aさんが話し終わってからにしてください」 |
| 同じ点を繰り返す | 「その点は控えました。ほかに、まだ出ていないことで見たことはありますか」 |
| いますぐ裁定を求める | 「裁定を出す前に、お二人ともの話をうかがう必要があります」 |
食い違っているロアの数について**それぞれの話を聞き、そのうえで、どう確かめていくかを説明します。**上の返しは、割り込まれたとき、すでに聞いた点を繰り返されたとき、両者の話を聞き終える前に裁定を求められたときに、話を前へ進めるための言い方です。裁定を出したあとは、どちらのプレイヤーもリードロアガイドに申し立てられます。〔7〕
**ここまではすべて、プレイヤーがまだあなたに答えている場合の話です。**2人があなたに答えるのをやめ、互いにだけ言い争うようになったら、それは Enforcement クラス02 の「熱くなった卓」であり、そのクラスの手順に切り替わります ―― まず2人を引き離し、一人ずつ別に話を聞き、決定も一人ずつ別に伝える。クラス02 がその順番を示し、それぞれの場面で何を言うかが、このクラスの仕事です。
**プレイヤーが実際に言ったこと・したことに注意を払ってください。**PCG のもとでは、下品な言葉づかい、対戦相手のデッキについて大声で文句を言うこと、通路でのふざけ合いは、**Unsporting Conduct – Minor(スポーツマンシップに反する行為・軽度)**の例です。挙げられている訂正の措置は、カジュアルでも Competitive でも Warning。****なぜその振る舞いが受け入れられないのかを説明し、直せるところは直す手助けをしてください。〔8〕
大会運営者の指示に従わないことや、対戦相手その人について大声で文句を言うことは、Unsporting Conduct – Major(同・重度)の例です。PCG はカジュアルでも Competitive でも Match Loss を挙げ、ただちに2人を引き離すこと、そしてなぜその振る舞いが受け入れられないのかを本人に伝えることを求めています。〔9〕こうした行為に関する決まりが、居心地のよいイベントをどう支えているかは Enforcement クラス01 が扱っています。やり取りが難しいものだったときほど、落ち着いて、一貫して当てはめてください。
06 申し立て(appeal)への対応
**自分がリードではないイベントでは、取り返しのつかないこと・戻しにくいことが行われる前に、2人に申し立ての機会を与えます。**これは ルール クラス06 が教えるとおりです。呼び出しのたびにこの権利を口に出す必要はありませんが、説明のあとに間を置いて、どちらかが「納得できない」と言えるようにしてください。
申し立てられたとき、あるいはあなたが説明した裁定に納得できないと言われたときは、「私の裁定は、確認が済むまでは有効です」と伝えて、**リードロアガイドを呼びに行きます。**説明をより強い調子で繰り返したり、申し立てをやめるよう説得したりしないこと。
リードへの報告は、卓から離れた場所で。事実を順に、あなたが出した裁定とその理由を説明します。こうすれば、一点ごとにプレイヤーに割り込まれずに、最後まで話せます。****リードの裁定が最終です。〔7〕**卓に戻ったら、それがあなたの裁定を支持するものであれ、覆すものであれ、その決定を支えてください。**リードがどう申し立てを聞いて判断するのかは Enforcement クラス14 が扱います。
**プレイヤーは、あなたが裁定を言い終えるまで待たなければなりません。**PCG は、裁定が最後まで示される前に申し立てることと、対戦相手への訂正の措置を要求することの両方を、Unsporting Conduct – Minor の例として挙げています。〔8〕こう言えます ――「裁定を最後まで説明させてください。そのあとで申し立てていただいて構いません。」そう言った以上、言い終わったら必ずその機会を渡してください。
07 自分の誤りを正す
**誤った裁定を出したと気づいたら、すぐにプレイヤーに伝えます。****何を間違えたのか、正しい裁定は何なのかを説明します。**そのうえで、該当する手続きのもとで、まだ直せるものは何かを確かめます。****巻き戻しが必要なら、リードロアガイドの承認を得ます。〔10〕
短く、具体的に謝ります。「申し訳ありません。あの能力について、私が誤った回答をしました。」そして、**プレイヤーが続けられるように手を貸します。****何度も謝られると、プレイヤーのほうが「気にしないでください」と言わなければならない気持ちになります。**時間延長を含めて、ほかの呼び出しと同じだけの丁寧さで対応を終えてください。
08 3人での練習
2人のプレイヤーと1人のロアガイドの3人組で行います。3つ目の練習は卓にプレイヤーが1人いれば足りるので、残った1人がリードロアガイド役に回ります。
各練習のあと、次を話し合ってください。
- ロアガイドは、説明より先に「答え」を言ったか。
- 誰かのせいにしない言い方で、行動を述べたか。
- 2人に向かって話し、理解と、続ける用意ができているかを確かめたか。
- 申し立てがあったとき、言い争わずに引き継ぎを整えたか。
練習1 ―― ロア3の食い違い 5ターン進んだところで、2人のカウンターがロア3つ分ずれていることが分かります。**2人とも自分の記録が正しいと確信しています。**それぞれの話を聞き、ロアの増減を一緒に確かめる練習をします。振り返りでは、ロアガイドが具体的なプレイについて尋ねたか、これからは新しい合計と一緒に宣言するよう2人に伝えたかを話し合います。
練習2 ―― 声かけに押し返される ロアガイドがプレイヤーに行動を求めます。プレイヤーは「考える時間はあるはずです」と返します。落ち着いて応じ、同じ求めを繰り返す練習をします。ラウンドの残り時間をどう使ったか、遅れが続いたときに訂正の措置をどう説明するかを話し合います。
練習3 ―― リードに裁定を覆される ロアガイドが Game Loss を与え、プレイヤーが申し立てます。卓から離れた場所で報告を聞いたあと、3人目がリードロアガイドとして戻り、裁定を覆します。****プレイヤーの前でその決定を受け入れ、試合の再開を助ける練習をします。覆されたあとも、プレイヤーが同じだけ丁寧に扱われたかを話し合います。
**次は Enforcement クラス10。**初めてのイベントに向けた準備を扱います ―― トーナメント主催者との打ち合わせ、持ち物、そして1ラウンドの通し方です。
用語について(訳者から)
| 英語 | この訳 | 備考 |
|---|---|---|
| de-escalation | もめごとを鎮めること | |
| appeal | 申し立て | 裁定に納得できないときの申し立て |
| Slow Play | Slow Play(遅いプレイ) | PCG の違反名。日本語版が無いので原語のまま |
| Caution / Warning / Game Loss / Match Loss | Caution / Warning / Game Loss / Match Loss | PCG の措置名。同上 |
| Unsporting Conduct – Minor / – Major | Unsporting Conduct – Minor / – Major(スポーツマンシップに反する行為・軽度/重度) | 同上 |
| Information and Communication Error | Information and Communication Error(情報伝達の誤り) | 同上 |
| rewind | 巻き戻し | リードロアガイドの承認が要る。Enforcement クラス06 参照 |
| Set step | セットステップ | 総合ルール 3.2.2 |
| lore | ロア | |
| Tournament Official | 大会運営者 |
要確認: Slow Play / Caution / Warning / Game Loss / Match Loss / Unsporting Conduct – Minor / – Major / Information and Communication Error は、 プレイ修正指針の日本語版が公開されていないため**定訳がありません。**原語のままにしてあります。
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。