rules · Class 07 · 約19分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
ルール クラス07 よくある思い違い ― 卓で耳にする言い分
原典: Lore Guide Institute, Rules Class 07 “Common Misconceptions: What You’ll Hear at the Table” https://institute.lorcanajudges.com/learn/rules-07-common-misconceptions/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約19分 / 小テスト10問
対象: ルール クラス01〜06 を終えたロアガイドと、プレイヤーがよく取り違えるルールを手早く引きたい方。
このクラスで身につくこと
- 下の17の言い分を見分け、当てはまるルールを説明できる
- プレイヤーを敬意をもって正し、その人が見落とした区別を理解できるように助けられる
- 裁定の根拠が文書のどこにあるかを、その場で示せる
先に読むことを勧めるクラス: ロアガイドの役割と、ディズニー・ロルカナのルール文書 / ターンの構造、ステップとフェイズ / バッグ ― 誘発能力はどう解決するか / キーワード能力 / 領域、状態、インクウェル / 卓に呼ばれたら I ― 質問と誤りへの対応 / ルールの質問に答える / エントリーレベルとカジュアルのイベント
プレイヤーは、ルールの一部を正しく覚えていながら、当てはまらない場面に当てはめてしまうことがあります。たとえば、テイクバック(Takeback、直前のプレイの取り消し)ができることは知っていても、ロアガイドの承認が要ることは知らない、というふうに。
このクラスは、卓で耳にする17の言い分を集めたものです。それぞれについて、裁定・その出典・詳しく扱っているクラスを挙げます。
訳注: プレイ修正指針は日本語版が公開されていません。したがって、 違反名と訂正の措置の名前はこの訳での暫定です(末尾の用語表で「要確認」としています)。 初出では英語の原語を併記しました。 また Takeback は原文で大文字の定義済み用語です。普通の「取り消し」と区別がつくよう、 この訳ではカタカナの「テイクバック」に固定しています(要確認)。
01 訂正を、その人が理解できるように助ける
**説明は、そのプレイと、そのルールの話に留めてください。**プレイヤーが、最初の質問をしたことを気まずく思わずに、次の質問をできるようにします。
裁定と理由を述べ、そのうえで該当箇所をお見せしましょうか、と申し出ます。その人が別のルールと取り違えているのが分かったら、そのルールはどこでなら当てはまるのかを説明してください。そう思ったのも無理はないが、ここでは結果が違う ―― それが伝わります。
**試合中は、両者が決定を理解して先へ進める分だけ説明します。**もっと話したければ、ラウンドのあとでと申し出ます。裁定が有利に働いたほうのプレイヤーにも、同じ気づかいのある口調で接してください。
02 ゲームの進み方について
「そっちの誘発のほうが先に起きたんだから、先に解決ですよね」/「待って、それに対応して……」
ディズニー・ロルカナには、カードや能力に「対応して」割り込む仕組みがありません。〔1〕誘発能力はバッグで待ちます。アクティブ・プレイヤーが自分の能力の順番を選び、それを全部解決してから、対戦相手が自分の能力を解決します。〔2〕バッグに入った時刻は、どれが先に解決するかを決めません。
→ ルール クラス03 と、そのバッグの図を参照。
「デッキ0枚で引くことになった時点で負けですよね」
プレイヤーが負けるのは、自分のターンが終わるときにデッキが空だった場合です。〔3〕ターンの途中でデッキが空になっても、その場でゲームは終わりません。対戦相手の効果でデッキを空にされたプレイヤーはそのままプレイを続け、自分のターンが空のまま終わったときに初めて負けます。
「デッキが空だと負けることがある」という部分は合っています。違うのは、その条件がいつ判定されるかです。→ ルール クラス02 と、そのターンの順序を参照。
03 誘発と順序
「相手の誘発をこっちが指摘してあげる義理はないでしょ」
強制の効果は、相手のものも含めて両者が指摘しなければなりません。二人はゲームの状態をはっきり保つ責任を共に負っています。〔4,5〕「〜してもよい」の効果は任意で、相手に思い出させることは勧められますが、義務ではありません。
→ Enforcement クラス04 を参照。
「誘発を忘れてたのに気づいたので、いま解決しちゃっていいですよね」
**まず、その能力がいつ見落とされたのか、継続時間が過ぎていないかを確かめます。**1周(ターン・サイクル)より前に見落とされていた場合、または継続時間が過ぎている場合は、**解決せずに先へ進みます。**そうでなければ、**バッグに入れるかどうかを対戦相手が選びます。**入れることを選んだなら、直ちに解決します。
**選択はすべて、本来その能力が解決するはずだった時点で可能だったものに限られます。**たとえば、そのあとに場に出たキャラクターは、いま選べません。見落とされた「〜してもよい」の効果は、「やらないことを選んだ」ものとして扱います。アクティブ・プレイヤーが自分のターンが終わる前に自分の誘発忘れに気づいた場合は、訂正の措置なしで修復だけを行います。〔5〕
要となるルール: 見落とされた誘発がまだ解決の対象になるなら、バッグに入れるかどうかを対戦相手が選ぶ。 入れたなら直ちに解決し、本来の時点で可能だった選択しか使えない。〔5〕
→ Enforcement クラス04 と、その誘発忘れの手順を参照。
「順番が違いますよ。ちゃんと見えるようにやり直してください」
順序違いの連続行動(out-of-order sequencing、要確認)は、次の3つがすべて満たされるときに認められます ―― **どの行動も適正であること、順番が違っても各行動の受ける影響が変わらないこと、そしてプレイヤーが対戦相手から情報を得ないこと。**対戦相手が何が起きたのか分からないときは、ゲームの状態について説明を求められます。〔4〕
順序違いの連続行動は、行動をやり直させる手段にはなりません。プレイを戻すのはテイクバックか巻き戻しであり、それぞれに固有の承認と条件があります。〔6,7〕
この許容は誘発忘れには適用されません。〔8〕→ Enforcement クラス07 と、その2つの例題を参照。
04 テイクバックと巻き戻し
「二人で『いまの無しで』って話がついてるんで」
テイクバックにはロアガイドの承認が要ります。プレイヤー同士の合意だけでは認められません。
対象になるのは直近の1回のプレイだけで、そのあと何もプレイも実行もされておらず、追加の情報も得られていないことが条件です。**情報には、解決した効果や誘発だけでなく、対戦相手の反応 ―― あるいは反応が無かったこと ―― も含まれます。**情報を得たかどうか判断できないときは、テイクバックを認めません。〔6〕
要となるルール: テイクバックにはロアガイドの承認が要る。両者が合意していても同じ。〔6〕
→ Enforcement クラス06 と、そのテイクバックの判断図を参照。
「ロアガイドさんに2ターンくらい巻き戻してもらえばいいですよね」
直近の1回のプレイより前までさかのぼる巻き戻しを認められるのは、リードロアガイドだけです。プレイ修正指針は、この役割に古い呼称の “Head Judge” を使っています。
**巻き戻しを考えるのは、いまの状態のまま続けるほうが著しく悪い場合だけです。**認められたなら、直近のものから1つずつ取り消し、**引かれた未知のカードはランダムに戻します。**プレイ修正指針は、1ターンを丸ごと超えて巻き戻すことは、取られた行動がどれも非常に単純でない限り、強く避けるべきだとしています。〔7〕
→ Enforcement クラス06 と、テイクバックと巻き戻しの比較を参照。
05 時計
「この人プレイが遅いので、いま2ターン多くもらえますよね」
遅延プレイ(Slow Play、要確認)の修復は、時間切れの時点で試合が続いていた場合に、試合終了手順に2ターンを足すものです。ラウンド中にそのプレイヤーへターンを与えるものではありません。遅延プレイが起きた時点ですでに延長ターンに入っていた場合は、ターンは追加されません。〔9〕
通常は、アクティブ・プレイヤーがターン0を終え、そのあと両者で5ターンを行います。〔10〕遅延プレイの修復は、この手順に対して適用します。訂正の措置は、**カジュアルでは Caution(注意)、競技では Warning(警告)**です。〔9〕
→ Enforcement クラス05・08 と、その試合終了手順の図を参照。
06 試合とデッキ
「2本目の前に何枚か入れ替えますね」
**第1ラウンドが始まったあとは、どの格のイベントでもデッキを変更できません。**試合の中のゲーム間でも、ラウンド間でもです。競技(Competitive)およびプレミア・プレイ(Premier Play)では、登録されたデッキリストがそのデッキの中身を決め〔11〕、食い違いは Deck/Registration Error(デッキ/登録エラー、要確認)になります。〔12〕
前のゲームの敗者が、次のゲームで先攻・後攻を選びます〔13〕。また、各プレイヤーはそのゲームの初手を通常どおり引き直せます。〔10〕どちらの手順も、デッキの中身を変えることは認めていません。
→ Enforcement クラス11 と、Enforcement クラス05 のデッキ/リスト比較表を参照。
07 情報、メモ、電子機器
「メモは見えるように置いておけば大丈夫ですよね」
**ゲームをプレイしている間、プレイヤーが書き留めてよいのはロアの合計だけで、それ以外はいけません。**ほかのメモは、両者が見られるかどうかに関係なく認められません。公開されたインクウェルのカードを書き留めることも、公開されたカードのコストをダイスで示すことも含みます。ゲーム中に外部のメモを参照することは Outside Assistance(外部からの援助、要確認)です。〔14,15〕
大会ルールはこの制限を「試合中(during a match)」と定めており、この教材は「ゲームがプレイされている間」と読みます。試合の中のゲームとゲームの間は、メモを取ることも見ることもできます。
ドラフト中、およびリミテッドのデッキ構築中も、メモを取ることと見ることはできません。〔14〕→ Enforcement クラス05 を参照。
「試合中はスマホ禁止ですよね」
**電子機器は使えます。ただし、常に両者からはっきり見える状態であることが条件です。**大会ルールは、コンパニオンアプリのロア管理とカード検索を、認められる使い方の例として挙げています。私的に使う必要があるプレイヤー ―― たとえばメッセージを送る、電話をかける、ウェブを見る ―― は、先にロアガイドに申し出なければならず、ロアガイドがその段取りを手伝います。〔16〕
→ Education クラス01 と Enforcement クラス05 を参照。
「勝手に口を出したのは見ていた人なんだから、悪いのはその人だけですよね」
観戦者にはその試合から離れてもらい、助言を受けたプレイヤーに Outside Assistance の Warning(警告)を与えます。〔15〕頼んでいないのに助言を受けることは、助言を求めることとは訂正の措置が異なります。後者はカジュアルではゲーム敗北、競技ではマッチ敗北です。
→ Enforcement クラス05 を参照。
08 投了、引き分け、賞品
「投了してくれませんかって聞いただけですよ。聞くくらいいいでしょう」
**プレイヤーはいつでも投了できますが、対戦相手に投了を求めることはできません。**また、投了の見返りに報酬や便宜を申し出ることも、受け取ることもできません。そうした申し出を受けたプレイヤーは、ロアガイドを呼んで報告しなければなりません。〔17〕
→ Enforcement クラス13 を参照。
「引き分けにするかどうかは、当人同士の話ですよね」
両者は、試合が終わる前に合意による引き分け(intentional draw、要確認)を選び、0-0-3 として記録できます。引き分けの申し入れは1試合に1回だけです。**明示・暗黙を問わず、その見返りに何かを差し出してはいけません。**そうした申し出を受けたプレイヤーは、ロアガイドを呼んで報告しなければなりません。〔17〕
→ Enforcement クラス13 を参照。
「賞品は山分けします。こっちの勝手ですよね」
賞品の分配(prize splitting、要確認)は、エントリーレベルと競技のイベントで、特定の条件のもとで認められます。残っているプレイヤー全員が自発的に同意し、分配の前にトーナメント管理者へ伝えること。そして、その話し合いに試合の結果を絡めてはいけません ―― 「誰かが投了するなら賞品を分ける」という持ちかけは禁止です。トーナメント管理者は、その裁量で賞品の分配を認めないことができます。〔18〕
→ Enforcement クラス13 を参照。
09 訂正の措置と修復
「この人これで Warning 2回目だから、重くなりますよね」/「Caution が3つ貯まってますよ」
Caution(注意)は追跡も記録もされません。〔19〕Warning(警告)は誤りの区分ごとに追跡され、加重の敷居は区分によって違います。
- Rule Errors(ルール・エラー、要確認): 同じ区分で3回目の Warning がゲーム敗北になる。〔20〕
- Tournament Errors(大会エラー、要確認): 同じ区分で2回目で加重される。〔21〕
- Unsporting Conduct(非紳士的行為、要確認): 同じ区分で2回目で加重される。〔22〕
Card Count Error の Warning 2回と Hidden Information Error(非公開情報エラー、要確認)の Warning 1回は、どちらの区分でも「3回目の Warning」になりません。〔20〕なお、プレイ修正指針自身がこの組み合わせを挙げた例では、2つ目を Inkwell Error の Warning と呼んでいますが、この区分名は同文書の Rule Errors の一覧のどこにも出てきません。インクウェルに関する違反の現行の名称は Hidden Information Error です。
要となるルール: 誤りの区分と、その区分の加重の敷居を確かめる。異なる区分の Warning は足し合わせない。〔19,20〕
→ Enforcement クラス03 と、その追跡・加重の表を参照。
「自分のインクウェルのカードを見ちゃいました。直し方って毎回同じですよね?」
見てはいけないインクウェルのカードをプレイヤーが見てしまったとき、Hidden Information Error の修復は、そのカードがどうやってインクウェルに入ったかで変わります。
- 通常の「1ターンに1回」のインクのターン行動で入ったなら、対戦相手に公開して、インクウェルに戻します。
- それ以外の手段で入ったなら、公開して、そのプレイヤーのデッキに混ぜ、そのデッキからランダムなカード1枚と入れ替えます。〔23〕
インクウェルのカードを見ることはルール違反であると、そのプレイヤーに伝えてください。そして、**修復を選ぶ前に、そのカードがどうやってそこへ入ったのかを確かめます。**プレイ修正指針は、非公開の一式を扱う運営者に対し、まず可能な限り調べて把握することを求めています。〔24〕
→ Enforcement クラス04 と、カードがインクウェルに入る2つの経路(ルール クラス05)を参照。
10 答えを口に出して練習する
**各項目を読む前に、その言い分に声に出して答えてみてください。**裁定を述べ、そのプレイヤーが見落とした区別を説明し、何を見せると申し出るかまで決めます。各項目には、そのルールを詳しく扱うクラスが書いてあります。
次: ルール クラス08 は、変身、コスト、支払いを扱います。
用語について(訳者から)
| 英語 | この訳 | 備考 |
|---|---|---|
| The Bag | バッグ | 総合ルール 7.7 |
| missed trigger | 誘発忘れ/見落とされた誘発 | |
| turn cycle | 1周(ターン・サイクル) | |
| concede / concession | 投了 | 「降参」「譲歩」にしない |
| player | プレイヤー | 「選手」にしない |
| corrective action | 訂正の措置 | クラス01・06 と同じ |
| Takeback | テイクバック(要確認) | 原文で大文字の定義済み用語 |
| rewind | 巻き戻し | リードロアガイドのみ |
| remedy | 修復(要確認) | プレイ修正指針の語 |
| Caution / Warning | 注意/警告(要確認) | 同上。本文は英語を併記 |
| Game Loss / Match Loss | ゲーム敗北/マッチ敗北(要確認) | 同上 |
| out-of-order sequencing | 順序違いの連続行動(要確認) | 同上 |
| Slow Play | 遅延プレイ(要確認) | 同上 |
| Outside Assistance | 外部からの援助(要確認) | 同上 |
| Rule / Tournament Errors | ルール・エラー/大会エラー(要確認) | 同上 |
| Unsporting Conduct | 非紳士的行為(要確認) | 同上 |
| Card Count Error | カード枚数エラー(要確認) | 同上 |
| Hidden Information Error | 非公開情報エラー(要確認) | 同上 |
| Deck/Registration Error | デッキ/登録エラー(要確認) | 同上 |
| intentional draw | 合意による引き分け(要確認) | 大会ルールの語 |
| prize splitting | 賞品の分配(要確認) | 同上 |
| Entry-level / Casual / Competitive / Premier Play | エントリーレベル/カジュアル/競技/プレミア・プレイ(要確認) | イベントの格付け。日本語版イベントルールでの呼び方を確認する |
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。