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education · Class 05 · 約15分

β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。

教育 クラス05 複雑さを制御する

原典: Lore Guide Institute, Education Class 05 “Controlling Complexity” https://institute.lorcanajudges.com/learn/education-05-controlling-complexity/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約15分 / 小テスト7問

対象: はじめての1戦に付き添えるロアガイドで、何を伝え、どの順で伝え、何を後回しにするかを、ゲームを不正確にも退屈にもせずに決められるようになりたい方。

先に読むことを勧めるクラス: 教育 クラス04「はじめての1戦に付き添う」

このクラスで身につくこと

  • いま行っている行動に必要な複雑さと、待てる複雑さを分けられる
  • 教材を選んで、新しい仕組みが扱える量ずつ届くようにできる
  • 関係するルールを1つだけ説明してすぐ対戦に戻る、必要なときに必要なだけの進め方ができる
  • 正しい質問を、好奇心をはねつけずに受け止めて後回しにできる
  • 教わる人の様子から、支えを足すか、そのままにするか、外すかを決められる

教わる人が、ある行動を解決しようとしています。カードを動かす前に、手札のアイテムを指して「これは何をするカードですか」と聞きました。説明すべきことが2つあり、**その順番がほとんど答えになります。**いま行っている行動は「いま」、アイテムは「それを出すかどうか決める場面になったとき」です。

このクラスは、教育 クラス04 の付き添いの1戦の続きです。いま説明すること、待てること、後回しにした質問へどう戻るかを決めていきます。


01 情報は3種類ある

口に出す前に、言えることを仕分けます。

種類 どういうものか どうするか
いま必要 それが無いと、いまの行動ができないか、意味が分からない 短く説明し、実物を見せ、教わる人に動かしてもらう
そのうち必要 予想できる後の盤面で効いてくる 見通しが立つなら一言だけ先出しする。そうでなければ待つ
正しいが、いまは要らない 本当のこと、面白いこと、例外だが、いまのプレイを左右しない 受け止めて、後回しにする

たとえば教わる人が《風よ吹け》〔1〕を出したとします。「キャラクター1体を選び、2ダメージを与える。カードを1枚引く。」という歌です。

  • いま必要: どのキャラクターを選べるのか、ダメージはカウンターとして置かれること、カードを1枚引くこと、そして効果が解決し終わったら歌は捨て札に置かれること。〔2,3,4〕
  • そのうち必要: カード自身の注釈文、つまりコスト3以上のキャラクターをエグザートすればコストを支払わずに歌えたということ。次に歌を持っていてインクに余りが無いとき、この知識が要ります。
  • 正しいが、いまは要らない: 歌声、合唱、そして「選ぶ」の届く範囲を変えるカードすべて。

はじめてのインクのターン行動なら、いま必要はインクウェルの記号、1ターン1回の制限、公開すること、裏向きに置くこと、レディの向きで置くこと。〔5〕それ以外の方法でインクウェルにカードを加える効果の一覧は、正しいが、いまは要りません。

はじめての通常のチャレンジなら、いま必要はレディのチャレンジ側、エグザートされている相手、エグザートすること、ダメージは同時であること、意志力との比較。〔6,7,8〕チャレンジで誘発する能力を漏れなく説明することは、ここには入りません。

省くのはかまいませんが、省いた結果が間違いになってはいけません。「このチャレンジでは、エグザートされている相手のキャラクターを選んでください」は正しい言い方です。「チャレンジできるのはキャラクターだけです」は正しくありません。キャラクターはロケーションにもチャレンジできるからです。〔9〕例外は黙っていてかまいません。ただし、その例外が破るようなルールを言い切ってはいけません。

02 説明より前に、出会いそのものを絞る

いちばん楽に片づく余計なルールは、そもそも出てこないルールです。教材のデッキをどう選び、教わる人が来る前に卓をどう並べるかは 教育 クラス03 にあります。その準備がこの仕事のほとんどを済ませてくれます ―― 低いコストの、こみ入っていないキャラクター、序盤に困らないだけのインクできるカード、カードの種類とキーワード能力は少なく、正しく解決するのに長いタイミングの説明が要る組み合わせを入れない。

Disney Lorcana Gateway は、あとの製品が増やしていく前に、絞った範囲の概念から入るようになっています。教育 クラス03 が説明している段取りの通りです。別の適当なデッキを使うときは、最初の数ターンで起こりそうなことを見て、クエストとチャレンジを練習し終わる前に関係のない説明をいくつも要求してくるカードは入れ替えてください。デッキは強さではなく、分かりやすさで選びます。

要確認: 「Disney Lorcana Gateway」は入門用の製品名です。日本語版の製品名があるかどうかは未確認のため、原題のままにしています。

03 いま使っているカードを説明する

歌に戻ります。**カードを読んでもらうか、一緒に読みましょうかと申し出てください。**そのうえで、教育 クラス04 の流れ(気づく → 読む → 言い換える → 動かす → 確かめる)を、このカード1枚にだけ当てはめます。選んだキャラクターの名前を言ってもらい、ダメージ・カウンターを置いてもらい、カードに書かれている順にカードを引いてもらい、歌を捨て札に置いてもらう。選ばれたキャラクターの能力が結果を変えるなら、ダメージを置く前にその能力だけを説明します。それ以外は説明しません。

**カードは教わる人自身に動かしてもらいます。**次にどの指示へ進むのか迷っていたら、**その文を指さして待ってください。**それでも足りないときにだけ、抜けているルールを説明します。

カードの種類は、その種類のカードをいまから使うときに紹介します。一覧として並べてはいけません。アクションなら、コスト・効果・解決・捨て札を続けて結びます。アイテムなら、出すことと、あとで使える能力を結びます。ロケーションなら、卓のどこに置くか、使うときとチャレンジするときに要る数値を説明します。

04 何を待たせられるかを決める

教わる人の次の行動を見て、どこまで言うかを決めます。

教わる人の質問 どうするか
「あのキャラクターを選べますか?」 **効果が解決する前に答える。**選べるかどうかを知らないと進めない
「この歌は場に残るんですか?」 効果が終わったあとどこへ行くかを説明する
「このアイテムは何をするカードですか?」 いまの行動を終わらせてから、出すかどうか考える場面でそのアイテムを見る
「同じカードは何枚までデッキに入れられますか?」 このターンのあと、またはゲームのあとに話すと約束する

はじめての方は、広く聞こえる質問を、狭い実用の必要からすることがよくあります。「このキャラクターでチャレンジできますか?」は、「乾いているか」かもしれませんし、「レディか」「選べる相手がいるか」「チャレンジしたほうがいいか」かもしれません。説明の前に確かめてください。

「いま聞きたいのは、できるかどうかですか? それとも、やったほうがいいかどうかですか?」

そのうえで、聞かれたほうに答えます。できるかどうかの答えが作戦の助言に滑り込まないように、また作戦の話がチャレンジのタイミング講座に変わらないようにしてください。

05 はねつけずに後回しにする

**「あとで」が役に立つのは、それが具体的で、実際に守られるときだけです。**教育 クラス03 に3つの手順があります ―― 受け止める・いつ戻るかを置く・いまの行動に戻る。

教わる人: 「こういうカード、デッキにたくさん入れられるんですか?」

ロアガイド: 「**それもこのゲームの大事なところです。このターンが終わったら一緒に見ましょう。**忘れないように覚えておいてくださいね。いまは、このカードの次の指示はどれでしょう?」

いい質問がいくつも出るなら、後回しにしたものを短い一覧にして、約束した場面 ―― 自然な区切りか、対戦後の振り返り ―― で戻ってください。後回しにした話題が結局出てこなかったときは、次にどこで調べられるかを伝えます。

**質問を「まだ早い」と言ってはいけません。**その質問は、いまの行動に対してたまたまタイミングが合わなかっただけかもしれません。教わる人には、その違いが伝わるべきです。

やってみる · ES-04 全7場面のうち3場面目 ― デッキ構築にいつ戻るかを約束する

《風よ吹け》のコストは支払い済みで、効果はまだ解決していません。教わる人が選んだのは 《ミッキーマウス – 蒸気船の操舵手》。ダメージも能力も無く、意志力は4です。解決を変える効果は 他にありません。教わる人は、2つのダメージ・カウンターを置く手前で手を止めました。

《風よ吹け》 《ミッキーマウス – 蒸気船の操舵手》
種類 アクション・歌 キャラクター(ストーリーボーン/ヒーロー/キャプテン)
コスト 3 3
インクウェル記号 なし あり
テキスト (コスト3以上のキャラクターは{E}することでこの歌をコストを支払わずに歌える。)
キャラクター1体を選び、2ダメージを与える。カードを1枚引く。
能力なし
攻撃力/意志力/ロア ― 3/4/1

教わる人: 「こういうカード、デッキにたくさん入れられるんですか?」

まだカウンターを手に持ったままです。この質問は、これから組むデッキの話であって、 いまの効果を終わらせる話ではありません。

**どう答えて、歌に戻りますか。**自分の言葉で書くか、声に出してから、次の行動を選びます。

  • A 「デッキ構築はあとで扱います」と言って、歌を指さす
  • B いま、デッキの枚数・インクの色・同名カードの上限を説明する
  • C このターンのあとに枚数の話をしようと持ちかけ、そのうえで「どの指示が終わっていないか」を聞く

訳注: 原文ではサインインすると実際に応答を書いて選択でき、模範の返答が読めます。 ここでは場面と選択肢だけを訳してあります。

06 言いすぎたことに気づく

教わる人が「すみません、いま何のカードを出していたんでしたっけ?」と言いました。**そこで細かい説明を足すのをやめてください。**いまのカードを指し、終わっていない指示を名指しします。

「いまはこの歌を解決している途中です。ダメージはもう置きましたね。次の一文を読んでみてください。」

動いてもらう時間を取り、それでも進めないなら、その1つの指示だけを説明するか、やって見せましょうかと申し出ます。説明全体をもう一度、早口で繰り返しても、どこが抜けていたのかは何も分かりません。

複雑さを止める合図は、こちらが話している間に教わる人がカードに触らなくなる、ターンの順番が分からなくなる、1分前より広い質問をするようになる、うまく選べていたところで当てずっぽうに選び始める。

一段増やしてよい合図は、慣れた行動を促されずにやり切る、カードが何をするか先に言える、目の前のカードについて的を絞った質問をする、土台を説明し返せてもっと知りたいと言う。

**「1ターンにキーワード能力は1つまで」のような固定の配分は使わないでください。**新しい能力を1回で飲み込む人もいれば、クエストとチャレンジをあと何回か重ねてからでないと入らない人もいます。

07 正確さを削る前に、言葉を削る

ゲームの用語を1つだけ正確に使い、実物で見せるほうが通じます。

  • 「エグザートというのは、このカードを横向きにすることです」 ―― そう言って、教わる人に横向きにしてもらう
  • 「このキャラクターは**“塗りたて”**なので、まだクエストもチャレンジもできません」 ―― カードを指しながら〔10〕
  • 「ダメージはカウンターとしてここに残ります」 ―― 教わる人にカウンターを置いてもらいながら〔3〕

**ディズニー・ロルカナの用語を、よその言い方に置き換えてはいけません。**そして、**短い文が簡単だとは限りません。**出てくる名詞がすべて過去の経験に寄りかかっているなら、その文は短くても簡単ではありません。

08 次の一段は、記録から決める

ターンかゲームが終わったところで、**書き留めます。促されずにできたこと、まだ促しが要ったところ、新しく扱えたカードの種類、後回しにした話題、そして合いそうな次の一段を1つか2つ。**次の回では、その中から1つか2つを選びます。

09 練習: 情報の仕分け

教材の手札と、想定した盤面をひとつ用意します。**言うかもしれないことすべてに、「いま」「そのうち」「あとで」の札を付けてください。**そのうえで誰かに相手をしてもらい、**いまの行動が終わる前に、関係のないカードについて質問してもらいます。**いま答えるべきルールの質問に答え、もう一方のカードをいつ見るかを約束し、**約束したところで実際に戻ってください。**終わったら、教わる人が実際に必要としたものと照らして、付けた札を見直します。

続けて ES-04『ひとつだけ新しいこと』へ。《風よ吹け》について教わる人が必要としそうな説明を仕分け、カードの解決を助け、続く質問に答え、約束した区切りで質問に戻る練習をします。

10 出典と、さらに学ぶための資料

  • Disney Lorcana: How to Play(公式の遊び方ガイド)
  • Disney Lorcana Gateway(入門用製品)
  • Cognitive Load Theory and Instructional Design: Recent Developments(認知負荷理論と教材設計についての研究)

**認知負荷の資料は、一般の学習研究です。**この設計の考え方を支えるものではあっても、ディズニー・ロルカナに固有の証拠ではありません。

要確認: 上記3つはいずれも原文のまま載せています。「Disney Lorcana: How to Play」と 「Disney Lorcana Gateway」に対応する日本語版の名称は未確認です。

**次は 教育 クラス06。**ゲームの最中に教え方を変える話 ―― 急かされていないか読むこと、「もっと速く」と言われたとき、やめたいと言われたとき、そして2人を同時に見るときを扱います。


用語について(訳者から)

英語 この訳 出典・理由
drying / dry “塗りたて”/“乾いた” 総合ルール 5.1.1.11 / 5.1.1.12。「乾いていない」と直訳しない
exert エグザート
Willpower / Strength 意志力/攻撃力
damage counter ダメージ・カウンター 公式Q&Aの表記(中黒あり)
discard pile 捨て札
Singer / Sing Together 歌声/合唱 総合ルール 8.10 / 8.11
ink action インクのターン行動 総合ルール 4章「ターン行動」
learner 教わる人 「初心者」は見下す響きがあるため使わない
Lore Guide ロアガイド

カード名は日本語版のもの(《風よ吹け》《ミッキーマウス – 蒸気船の操舵手》)に置き換えてあります。

この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。

ルールの最終的な判断は、公式の裁定と大会当日のジャッジの案内に従ってください。